2010年12月12日

意味はない

101210_235542.jpgその音は、狭い会議室の中で鳴り響いた。
ジェンキンスは分厚い両の手の平を机の上で叩き、皆を見渡して言った。
ジェンキンスって誰?

「それでは、今回の会議はこれにて終了とする。」
室内を我が物顔で占領していた、ぴりぴりとした緊張感が、その言葉を合図に解き放たれた。
皆、自分の前の書類や筆記用具を各々の鞄に詰めると、言葉無く会釈をし合い、会議室を出て行った。

そしていつの間にか、会議室に残ったのは、俺とジェンキンスだけとなった。
ジェンキンスって誰?

「君は帰らないのかね?」
俺は待ってましたとばかりに、さっきの会議で感じた違和感を口にした。
「ジェンキンス、ひょっとしたら俺は、全く見当違いの事を考えているのかもしれないが…」
ジェンキンスの太い眉が、苛立たしげに二度、つり上がると、そこには無いタバコを探し、右手が一瞬動いた。
ひょっとしたら、どやされるかも知れないな。
やや自嘲気味にそう考えると、俺は話の続きを再開した。
「犯人はあの中にはいない」
「あんたがはんにんだ」
ドーーーーーン!

笑うせえるすまんみたいに舞台は唐突に終わり暗転する。
薄汚れた公園のベンチの上で目が覚めた。
街灯が寂しがり屋みたいに虫たちを集めている。
蒸し暑い暗闇と、距離感を失った星々。
湿気った、のろい風。
どうやら今は、夏の夜のようだ。
姿の無い野良猫が、低木の間を駆け抜ける。
濡れた草の匂い。
俺はおもむろに着ていたカーディガンを脱ぐと、背中のジッパーも下ろし、きれいに透明人間になって夜の公園に消えた。


訳分かんないことが書けるくらいには元気になりました。
普通の生活をするなら、ちょっと調子悪いくらいの方が、丁度良いのかもしれませんね。
クソくらえだ!


ラベル:復活
posted by 霞、冴えて猫町 at 00:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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